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CROツールを役員会で通した稟議書 全文公開 — 否決されないために書いたこと

月商2.4億円のD2Cが、CROツール年間契約(2,400万円)を役員会で通した実際の稟議書を全文公開する。否決されない稟議に共通する5つの構成要素と、加点された3つの要素を分解する。

5 分で読めますMAXsuite Editorial

「現場では使いたい、でも稟議で詰まる」── B2B SaaSの導入で最後に止まる場所はだいたい同じだ。今回、月商2.4億円のD2C(社員約60名)がCROツール年間契約2,400万円を 一発承認 で通した稟議書の構成を、当事者の許可を得て公開する。個人情報と社名は伏せている。

結論から

通った稟議書は 5つの構成要素 を持っていた。

  1. 問題定義(Why now) — 経営課題と直接接続
  2. 解決策と代替案 — 他社比較を必ず入れる
  3. 数字(ROI) — シナリオ3本(低/中/高)
  4. リスクと回避策 — 失敗パターンを先回り
  5. 意思決定とロードマップ — 何を、いつまでに、誰が

加点要因

この稟議書には、以下の3つが入っていたことで「役員会で議論せずに承認」された。

  • 失敗事例の自社想定 — 「こうなったら撤退する」を稟議内に明記
  • 撤退条項の契約化 — 効果未達時の解約条項を契約書ドラフトに組み込み済み
  • 30/60/90日のマイルストーン — 数字で進捗を見える化

全文(抜粋)

件名

CROツール「●●●」年間契約導入の件

1. 問題定義

当社のEC月商は2024年4月の2.4億円から2025年3月の2.5億円まで、12ヶ月で4%しか伸びていない。広告費は同期間で18%増、結果として広告ROASは1.42 → 1.21まで悪化。一方、CVRは1.2%で推移し、改善余地が最も大きい。だが社内には:

  • 仮説を出せるが優先順位の根拠が弱い
  • A/Bテストには月10万PVが必要で、現状サンプル不足
  • ユーザーテスト(1人5,000円×20人)は2週間/ラウンド という3つのボトルネックがある。

2. 解決策と代替案

選択肢月額立ち上げ適合度
A. 何もしない0機会損失年間1.2億円
B. ●●●(本件)200,00030日
C. VWO + Hotjar350,00090日中(トラフィック不足)
D. UX外注(月50万 × 12ヶ月)6,000,000即時中(再現性なし)

3. ROI試算

月商2.5億円 × 期待CVRリフト 0.3pt → 増収月3,750万円(中位シナリオ)。年間4.5億円。年間コスト2,400万円に対し、年間ROI 1,775%。回収月数 0.6ヶ月。

4. リスクと回避策

  • リスク1: 効果が想定の30%しか出ない場合 → 回収月数2ヶ月、依然黒字
  • リスク2: 効果ゼロの場合 → 6ヶ月時点で解約条項発動(下記)
  • リスク3: 運用負荷 → 月8時間想定、PMOマーケが担当(別添)

5. 意思決定とロードマップ

30日: 導入とベースライン取得 60日: 第1回改善ラウンド着手 90日: 効果検証と継続/解約判断 効果未達(増収リフト < 月1,000万円)の場合は契約書8条に基づき2ヶ月前通知で解約

なぜこれが通るのか

役員会の意思決定者は、3つの不確実性を恐れる:

  • 増えるコスト — 試算で黙らせる
  • 減らない問題 — 失敗時の撤退ルートで黙らせる
  • 増える運用負荷 — 担当者と工数で黙らせる

この稟議書はその3つにそれぞれ独立した節を割いている。「やる」を主張しているのではなく、「やらないと回らない」と、「やってダメだったら止める」を同時に提示している。

あなたが今日できること

  • /approval-kit で稟議書テンプレと ROI Excelをダウンロードする
  • /diagnose で診断を取り、稟議書3節(問題定義)に貼れる根拠資料を入手する

「効果が出なかったら解約」を契約書に入れることは、相手と関係を悪くしない。むしろ、稟議の重力をぐっと軽くする。

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