RFM 分析でセグメント化する — 優良顧客と離脱予備軍を3軸で特定
RFM(Recency・Frequency・Monetary)分析は、顧客を3軸でスコアリングしてセグメント化する古典的かつ強力な手法。LTV 改善の最初の一歩として最適です。
RFM 分析とは
RFM 分析は、顧客を3軸でスコアリングしてセグメント化する手法です。1995年代から DM マーケティングで使われ始めた古典的フレームですが、デジタル時代でも依然として有効です。シンプルで誰でも理解でき、データさえあれば即実装できる点が魅力です。
R・F・M の3軸を、それぞれ5段階(5が最高、1が最低)でスコアリングします。すると顧客は5×5×5 = 125 のセグメントに分類されます。実務ではこの 125 を全部扱うのは煩雑なため、数個の意味あるセグメントに集約して使います。
RFM の3軸
- Recency(最終購入日)
- 最後に購入してから今日までの日数。短いほど高スコア。「最近買った人ほど次も買う確率が高い」という経験則に基づく。
- Frequency(購入頻度)
- 一定期間(通常1年)内の購入回数。多いほど高スコア。リピート傾向の強い顧客を特定する。
- Monetary(購入金額)
- 一定期間内の累計購入金額。大きいほど高スコア。優良顧客(高単価リピーター)を特定する。
RFM の代表的なセグメント分類
125 セグメントを実用的な 8 セグメントに集約した例。
| セグメント名 | R | F | M | 対応施策 |
|---|---|---|---|---|
| Champions(最優良顧客) | 5 | 5 | 5 | VIP 限定先行販売、紹介依頼 |
| Loyal(ロイヤル) | 4-5 | 4-5 | 3-5 | ロイヤルティプログラム継続 |
| Potential Loyalists(成長候補) | 4-5 | 2-3 | 2-3 | セット販売・アップセル |
| New(新規) | 5 | 1 | 1-2 | オンボーディング・2回目購入促進 |
| At Risk(離脱予備軍) | 2-3 | 3-5 | 3-5 | 再購入インセンティブ・休眠防止 |
| Hibernating(休眠) | 1-2 | 1-2 | 1-2 | 限定オファー・休眠復活キャンペーン |
| Lost(離脱済み) | 1 | 1-2 | 1-2 | 予算次第で再獲得試行 or 諦める |
| Big Spenders(高額一過性) | 3-5 | 1-2 | 5 | 頻度向上施策(メール・通知) |
RFM 分析の実装手順
データ準備
- 過去1〜2年の購買データ(顧客ID、購入日、購入金額)を集約
- 顧客IDの重複(複数アカウントなど)を統合
- 返品・キャンセルを除外した「正味の購入」のみで計算
スコアリング
- Recency:最終購入日から今日までの日数を5分位で5段階
- Frequency:一定期間内の購入回数を5分位で5段階
- Monetary:累計購入金額を5分位で5段階
- 各顧客に R-F-M の3桁スコア(例:545)を付与
セグメント化と施策実行
- 125 セグメントを 5〜8 個の意味あるグループに集約
- セグメントごとに具体的な施策(メール内容・割引・通知頻度)を設計
- 効果検証は1〜3ヶ月後の RFM スコア変化で評価
- 離脱予備軍からのリカバリー数を主要KPIに
よくある質問
Q. RFM のスコアリングは5段階で良いですか?
5段階が最も使いやすいですが、業態によっては3段階(高・中・低)でも十分です。重要なのは段階数より、どこで線を引くか(5分位で機械的に分けるか、ビジネス的な閾値で分けるか)。継続的に同じ基準で運用することが最も大事です。
Q. EC と SaaS で RFM の使い方は違いますか?
本質は同じですが、軸の意味が変わります。SaaS では Frequency より「ログイン頻度」「機能利用率」が重要で、Monetary は「契約金額 + アップセル累計」になります。サブスクには「契約期間」を加えた RFCM などの拡張もあります。
Q. 新規顧客に RFM スコアは出せますか?
出せますが、F=1・M=低になりやすく、新規セグメントの中での比較しか意味を成しません。新規顧客は別途「2回目購入率」を主指標に追跡し、既存顧客と分けて RFM 運用するのが標準です。
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